「バーチャルオフィスは契約時に審査はあるのか?」
「バーチャルオフィスの審査とはどのような内容なのか?」
と疑問に思っている方はいらっしゃいませんでしょうか?
バーチャルオフィスは、従来の賃貸契約を交わすオフィスとは異なるオフィス形態です。
ですので、バーチャルオフィスの審査について疑問に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで当記事では、バーチャルオフィスの審査について解説しております。
この記事で紹介していること
当記事では、バーチャルオフィスの審査について、審査の例、審査に通らない例、注意点等について紹介しております。
審査の有無に関して結論から申し上げますと、バーチャルオフィス契約時には法律に基づく審査・審査プロセスがあります。
この記事を読むメリット
バーチャルオフィス契約時の審査概要等を把握しておけば、いざ審査を受ける際の事前準備に役立ちます。
参考までに確認されたい方はご覧になってください。
【メモ】バーチャルオフィスの概要はこちら↓リンク先にて解説しております。
バーチャルオフィス契約は審査あり⇒なぜ審査が必要なのか?
バーチャルオフィス契約時には、本人確認含む審査があります。
したがって、バーチャルオフィスの契約は、どのような人でも契約できるというわけではありません。
賃貸契約を交わす賃貸オフィスとは異なり、バーチャルオフィスは利用契約を交わす形となりますが、契約時には法律に基づく適切な審査が設けられています。
バーチャルオフィス提供事業者は、バーチャルオフィス契約時に「犯罪収益移転防止法」に基づく適切な審査を行わなければなりません。
【犯罪収益移転防止法参考】犯罪収益移転防止法関係(METI_経済産業省)
ですので、もし審査なくバーチャルオフィスの契約が可能である場合には要注意です。
もし無審査で契約が可能なバーチャルオフィスがある場合には、バーチャルオフィス運営会社への罰則の対象となります。一般のバーチャルオフィス利用者にとってもよくありません。
適切な審査を設けている運営会社にて契約する必要があります。
バーチャルオフィス契約時にはどのような審査があるのか
バーチャルオフィスにおける契約は、法律に基づく審査があります。
審査の細かい内容については運営会社によって異なる場合がありますが、おおまかには以下の通りになります。
- 本人特定事項の確認
- 事業内容・職業の確認
- バーチャルオフィスの利用目的の確認
以上のように、一見簡単な審査に見受けられますが、法律に基づく審査が行われますので、審査に通らないことも起こり得ます。(審査に通らない例…必要書類の不備、事業内容がそぐわない、反社会的勢力との関わりがあるなど)
審査に通らないケースの例については当記事「バーチャルオフィスの審査に通らないケース」の項にて紹介しております。
公平な審査を行うために、通常は細かい審査内容については公開されていません。ですので、当記事では基本的な審査を、審査の一例としてご紹介しております。
以下↓にバーチャルオフィスの審査の一部例について紹介しております。
審査例.バーチャルオフィス利用者の本人特定事項確認
バーチャルオフィス契約にあたり、法律に基づく本人特定事項の確認が行われます。
ご注意…必要書類等、運営会社によって異なる場合あり
バーチャルオフィス運営会社によって必要書類等が異なる場合があります。必要書類等の確認は、バーチャルオフィス運営会社ホームページ等のご確認をお願いいたします。
当項では、代表的な身分が証明できる書類を例として紹介しております。
書類確認では、運転免許証・保険証・マイナンバーカードなど、運営会社の定める身分が証明できる書類の提出。
法人の場合には、個人の場合に必要な書類に加えて発行から3カ月以内の登記事項証明書等が必要になります。
メモ オンライン本人確認について
2018年11月の施行により、近年は本人確認として、スマートフォンなどを用いてのオンライン上での本人確認制度であるeKYC(オンライン本人確認)制度を導入している運営会社も増えています。
【eKYC参考】eKYC(オンライン本人確認)とは? ~Digital KYC~FinTech NEC
本人特定事項の確認方法は、運営会社によって異なる場合があります。
審査例.バーチャルオフィス利用者の事業及び職業の確認
バーチャルオフィス利用申し込みにおいて、審査時に利用者の事業内容及び職業の確認が行われます。
これらの確認は、主に以下の理由により行われます。
- 犯罪収益移転防止法に基づく事業内容及び職業の確認のため
- 仕事内容が法に触れるものではないか
- 事業内容及び職業がバーチャルオフィスの利用上問題のないと判断できるものであるか
事業内容及び職業によっては、バーチャルオフィス契約時の審査に通らない場合もあります。
審査に通らない例に関しましては、当記事「バーチャルオフィスの審査に通らないケース」の項内にて紹介しております。
審査例.バーチャルオフィスの利用目的の確認
バーチャルオフィスの利用申し込みにおいて、審査時にバーチャルオフィスの利用目的の確認が含まれます。
バーチャルオフィスの利用目的を確認する主な理由は以下の通りです。
- 犯罪収益移転防止法に基づく取引目的の確認のため
- 利用目的が法に触れるものではないか
- 利用目的がバーチャルオフィスの利用上問題のないと判断できるものであるか
利用目的はバーチャルオフィス運営会社で問題ないと判断できる、はっきりとした利用目的である必要があります。
バーチャルオフィスの利用目的においても、バーチャルオフィス運営会社の判断によっては審査に通らない可能性もあります。
バーチャルオフィスの審査に通らないケースに関しましては、以下↓の項にて紹介しております。
バーチャルオフィスの審査に通らないケース(5つの例を紹介)
バーチャルオフィスを契約するためには、審査を受ける必要があります。
ですので、場合によっては審査に通らないケースもあり得ます。
審査に通らないケースの例としては以下の通りになります。
- 必要書類に不備があるケース
- バーチャルオフィスでは許認可が取れない業種
- クレームが心配される業種業態の場合
- 法律に反する事業である場合や、反社会的勢力と関わりがある場合
- バーチャルオフィス審査時の心証が悪い場合(不信感を抱かれる場合)
以下↓にそれぞれ解説しております。
審査に通らない例1.必要書類に不備があるケース
バーチャルオフィス契約時の審査の際に、必要書類に不備がありますと審査に通りません。
以下↓は必要書類不備の例になります。
- 必要書類が用意できない・不足している場合
- 必要書類が用意できない・不足している場合にはバーチャルオフィス契約の審査に通りません。
バーチャルオフィスの審査は、犯罪収益移転防止法に基づき、適切な本人確認をしなければなりません。
従って、必要書類が用意できない・必要書類が不足している場合には、残念ながら審査に通ることはできません。
- 虚偽の内容の書類を提出した場合
- 虚偽の内容の書類を提出した場合にも、バーチャルオフィス契約の審査は通りません。加えて、人為的な記載ミスによる場合も審査に通りません。
バーチャルオフィス契約時の審査は、犯罪収益移転防止法の法律に基づき審査が行われます。
本人確認では、氏名・住所・生年月日含むすべての取引時確認がされます。
従って、虚偽の内容(人為的な記載ミスを含む)の書類を提出した場合にも、審査に通りません。
審査に通らない例2.バーチャルオフィスでは許認可が取れない業種
バーチャルオフィス契約時には、契約者の事業内容及び職業の確認をします。
バーチャルオフィスは、バーチャルオフィスにそぐわない事業及び職業である場合があります。
バーチャルオフィスの住所は、事務所が必須とされていない(専有するスペースが必須とされていない)事業の場合に、バーチャルオフィスの住所を事業用住所として許認可を取ることができます。
対して、事務所が必須(専有するスペースが必須)である事業の場合は、バーチャルオフィスの住所を事業用住所として許認可を取ることができません。
以下↓はバーチャルオフィス契約時に、審査に通らない可能性のある事業の一部例を紹介しております。
- 労働者派遣事業
- 労働者派遣事業の事業所は、事業に使用する面積がおおむね20平方メートル以上が必要
【参考】労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル- |厚生労働省
- 古物商
- 古物商の営業所は、独立性が認められる営業所が必要(営業所に標識の掲示・管理者の選任・台帳の備え付けが必要)
【参考】根拠法令等 警視庁
【参考】山梨県警察/古物営業関係解説
- 産業廃棄物処理業
- 産業廃棄物処理施設を有し、産業廃棄物処理施設の処理能力の記載が必要
【参考】廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) _ 環境再生・資源循環 _ 環境省
審査に通らない例3.クレームが心配される業種業態の場合
バーチャルオフィスに限らず、通常の賃貸契約を交わすオフィスでも同様のことが言えますが、クレームが来ることが心配される事業と判断された場合は審査に通らない可能性があります。
審査時におけるクレームの懸念は、賃貸オフィスの場合は、オーナーがビル等の賃貸物件の評判が下がることが懸念される場合は審査に通らないことがあります。
バーチャルオフィスの場合には、クレームによりバーチャルオフィスの運営会社への評判に関わる可能性があります。
以上のことから、クレームの来ることが心配されると判断された業種業態の場合は、審査に通らない可能性があるという点に注意が必要です。
クレームが心配される可能性のある業種業態の一例
- 公序良俗に反している業態
- 公序良俗に反してる商品・サービスを取り扱っている
- 投資・FXなどの情報商材を販売している事業
- 政治・宗教・思想団体である場合 など
審査に通らない例4.法律に反する仕事、反社会的勢力と関わりがある場合
法律に違反している仕事である場合や、反社会勢力とかかわりがある場合にも、バーチャルオフィス契約の審査に通りません。
もし提供したバーチャルオフィスの住所で違法行為がされた場合、バーチャルオフィスの住所に悪質な利用履歴が残ってしまいます。
バーチャルオフィスの住所価値の暴落・さらには運営会社が持つ信用を失ってしまいます。
信用あるサービスを提供するためにも、バーチャルオフィス運営会社は契約時の審査を設けています。
ですので、反社会的勢力と関わりがある場合や、法律に違反している事業を行っている場合にもバーチャルオフィスの審査は通りません。
審査に通らない例5.審査時の心証が悪い(不信感を抱かれる)場合
バーチャルオフィスではない、賃貸契約を交わす賃貸オフィスでも同様のことが言えますが、バーチャルオフィス審査時の心証が悪い(不信感を抱かれる)場合には、審査が通らない恐れがあります。
例えば、常識を遥かに超えた要求をしてくる利用者の場合や、些細なことでクレームを入れる利用者の場合が例として挙げられます。
運営会社としては、トラブルなく利用してもらえる利用者と契約を交わすことが望ましいため、こういった利用者は敬遠されてしまう恐れがあります。
このよう場合は、賃貸オフィスと同様にバーチャルオフィスでも、運営における将来的なトラブルを懸念し審査に通さない可能性があります。
バーチャルオフィス審査時の注意点の例・事前の準備の例
バーチャルオフィスの契約における細かい審査内容は、公平な審査をするためにも基本的には公開されていません。
ですが基本的に上記「バーチャルオフィス契約時にはどのような審査があるのか」の項で紹介しました事項は確認されますので、それに伴い事前に行っておきたい注意点の例を挙げることができます。
バーチャルオフィスの審査における注意点の1つは、事前にバーチャルオフィス運営会社に必要書類を要確認しておくことです。
さらに、事前準備としてサービス内容・料金プラン・利用できるオフィス住所等のバーチャルオフィス・バーチャルオフィス運営会社に関することをよく確認しておくことも挙げられます。
サービス内容等をよく確認し、認識違いによる齟齬をなくしておくことで後々のトラブルをなくすことにもつながります。
上記「バーチャルオフィス契約時にはどのような審査があるのか」の項、サービス内容等の確認、さらに加えて「バーチャルオフィス契約時の審査に落ちるケース」の項で紹介しました内容を踏まえた準備も行うことがよいと考えます。
まとめ⇒審査は運営会社ならびに利用者も守ることにつながる
バーチャルオフィスの審査は、法令遵守およびバーチャルオフィス運営会社における運営業務・信用を守ることにつながっています。
さらには、バーチャルオフィス利用者を守ることにもつながります。バーチャルオフィスの信用が失われれば、利用者にとってもよくありません。利用者が違法行為等を行う、バーチャルオフィスの信用を失うような事業ではないかなどの審査が設けられています。
ですのでバーチャルオフィスの契約は、適切な審査を設けている、信頼できる運営会社にて契約を行うことが非常に重要です。
よろしければ参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございます。